忙しい日々が続いたり、天候が悪かったりすると、ついお散歩が短くなってしまうこともありますよね。でも、わんちゃんにとっての「運動不足」は、実は思った以上に体や心に影響を与えてしまうんです。
まず、最も心配なのが「肥満」です。運動で消費されるエネルギーが減ると、どうしても余分なカロリーがたまりやすくなります。体重が増えると、関節や心臓への負担が増え、病気のリスクも高まります。特に小型犬やシニア犬は、体に対する影響が大きく出やすいため注意が必要です。
また、体のトラブルだけではなく「ストレス」も運動不足の大きな問題です。わんちゃんは、外の刺激を受けることで脳を活性化させ、ストレスを発散しています。運動が足りないとエネルギーが余ってしまい、無駄吠え、いたずら、落ち着きのなさといった行動が目立つようになることも。
さらに、筋力や関節の柔軟性の低下も見逃せません。体を動かさない日が続くと、筋肉が衰え、関節の可動域も狭くなってしまいます。特に年齢を重ねた犬の場合、こうした変化が生活の質(QOL)に大きく影響します。
では、どうすれば運動不足を防げるのでしょうか?
まずは「短時間でも毎日動くこと」。10分の散歩でも、毎日継続することが何より大切です。忙しい日は、室内でおもちゃを使って軽く遊ぶだけでも、わんちゃんにとっては立派な運動になります。
「遊びながら運動できる工夫」も効果的です。たとえば、ごはんを知育トイに入れて探させたり、おやつを使ってかんたんなトリック(おすわり、ふせ、回って)をさせたり。体だけでなく頭も使うことで、心の充実にもつながります。
獣医さんによると、毎日少しずつでも運動を取り入れることで、肥満や関節のトラブルだけでなく、認知機能の低下の予防にもつながるそうです。特に高齢期には、体と心のどちらもバランスよく刺激を与えることが重要だと言われています。
飼い主さんのちょっとした心がけで、愛犬の健康は大きく変わります。「今日は少しだけでも一緒に動こうかな」そんな小さな一歩が、わんちゃんの健やかな毎日につながります。
運動は、愛犬へのいちばんのプレゼントかもしれません。無理なく、楽しく、毎日の中に運動の時間を取り入れていきましょう。