玄関でリードを見せると、しっぽを振って立ち上がる。でも外に出てしばらくすると足取りが重くなって、帰り道はこちらが気をつかいながら歩く。このまま毎日連れ出していいのか、それとももう休ませてあげたほうがいいのか。
気になりますよね。「散歩はいつまで?」と考え始めるのは、それだけ愛犬をよく見ているからだと思います。今回は、散歩を「続けるか、やめるか」の二択ではなく、「どう切り替えていくか」という見方でお話しします。
「いつまで」に年齢の答えはない
何歳になったら散歩をやめる、という決まりはありません。どのくらい歩かせてよいかは、年齢や体格、持病、その日の体調によって変わるからです。同じ子でも、昨日は機嫌よく歩けたのに今日は進まない、ということもあります。
だから「いつまで」の目安になるのは、カレンダーの数字ではなく、その子の様子です。シニア犬の散歩は犬のペースに合わせ、急がせたり、できる以上に長く歩かせたりしないほうがよいとされています。切り上げるタイミングは、飼い主さんが様子を見ながら決めてあげるとよいとされています。
もう一つ知っておきたいのは、歩きすぎたかどうかは散歩の最中より後で分かることがある、という点です。筋肉の痛みやこわばりは、休んだ後に出ることが多いと言われています。散歩中は元気そうでも、翌朝の起き上がり方まで見て、はじめてその日の量がちょうどよかったのかが見えてきます。
散歩を見直したいサインを確かめる
次のような様子があれば、散歩のやり方を見直すタイミングかもしれません。
- 散歩中に横になる、座り込む、急に立ち止まって進もうとしない
- 出かける前から散歩を渋る
- 帰ってきてから強く疲れている
- 足を引きずる、片方の足をかばうように歩く
- 散歩の翌日、体がこわばっている、起き上がりにくい
- 階段や段差を避けるようになった
途中で座り込むのは、休みたいというサインのこともあれば、どこかに不調があるサインのこともあります。そういうときに叱ったり、リードを無理に引っ張ったりはしないであげてください。
散歩の後と翌朝の様子を、メモに一言残しておくと変化に気づきやすくなります。
やめるより先に、歩き方を変えてみる
サインが見えたからといって、すぐに散歩をやめる必要はありません。先に試せる切り替えがいくつかあります。
1回を短くして、回数を分ける
1回を長くするより、短めの散歩を少しずつ、こまめに行うほうがシニア犬に合いやすいと言われています。
道とペースを選ぶ
ゆっくりしたペースで、平坦で慣れた道を選びます。
距離より、においを嗅ぐ時間を
犬の行きたい方向に付き合い、においを嗅ぎながらのんびり歩く散歩が合う子もいます。においを嗅ぐことは、頭を使う刺激になると言われています。
天気と時間帯を見る
シニア犬は暑さや寒さへの対応が苦手になりやすいです。暑い日は涼しい時間帯に出かけ、極端な天候の日は無理に外を歩かせないようにします。
行かない日があってもいい
体調が悪そうな日や、気が乗らない様子の日は、無理に連れ出さないという判断もあってよいと思います。
歩けなくなってからも、外の時間は残せる
遠くまで歩けなくなっても、外に出ること自体に意味があると考えられています。車で好きな公園まで行って少しだけ歩く、カートや抱っこで外に出る。そうした方法でも、景色やにおいといった外の刺激に触れられます。歩けるところは歩いて、疲れたら乗せる、という使い分けもできます。
カートや抱っこを使うことを、手を抜いているように感じる必要はありません。その子が外の空気を楽しめているなら、それも立派な散歩の形だと私は思っています。
ふらつきがある子には、体を支えるハーネスや、滑りにくいマット、スロープなど、道具や環境で負担を減らす工夫もあります。また、歩く量が減ると爪が自然にすり減りにくくなるので、ときどき爪の長さを見て、必要に応じて切ってあげてください。
私自身、ラニが13歳のとき、ある日突然前脚を出しにくくなり、立ち止まったまま動けない姿を前に何もできず悔しい思いをしました。そこから筋膜リリースの施術に通ったり、食事を見直したり、声かけを工夫したりと、できることを探してきました。それでも思うようにいかず、心が折れかけたこともありましたが、ラニの目を見て「諦めるわけにはいかない」と思い直しました。これはあくまで私とラニの場合ですが、その経験から、散歩についても「今のこの子に何ができるか」という見方で考えてみてほしいと思っています。
こんなときは獣医師に相談を
散歩を嫌がる、足をかばう、段差を嫌がる、といった様子の背景に、関節の不調や痛みが隠れている場合もあります。「年のせいだから」と決めつけず、こうした様子が続くとき、急に変わったときは、かかりつけの獣医師に相談してください。
どのくらい歩かせるか、どんな方法がその子に合うかも、年齢や持病によって変わります。運動の量や方法は、かかりつけの獣医師と相談しながら決めていくと安心です。
おわりに
散歩を「いつまで」と考えるより、「今のこの子に合う外の時間は何だろう」と考えてみる。そうすると、できることはまだ残っていると感じられるかもしれません。同じことで悩んでいる方の参考になればうれしいです。
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※本記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。
気になる症状がある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。
※歩けるくんは治療を目的とした商品ではありません。感じ方には個体差があります。
うちの子の場合はどうだろう、どのサイズが合うのだろう——
そんなふうに迷われたときは、お気軽にご相談ください。
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