散歩から帰って足を拭いていたら、後ろ足の爪の先だけが妙に短くなっている。歩いているとき、アスファルトの上で「ズリッ」と小さな音がした気がする。どちらも、気のせいかなと流してしまいそうな変化です。
「ナックリング」という言葉を目にして、うちの子は大丈夫かなと気になった方もいるかもしれません。言葉だけが先に入ってくると、かえって不安になりますよね。今日は、どういう状態なのか、どこで気づかれやすいのかをお話しします。
ナックリングは「足の甲で立ってしまう」状態のこと
ナックリングとは、本来なら肉球のある足の裏を地面につくところを、足先が丸まってしまい、足の甲を地面につけたまま立ったり歩いたりしている状態を指します。前足にも後ろ足にも起こりうるもので、1本だけのことも、何本かに出ることもあります。
特徴的なのは、足の甲で立っていても、犬が自分で足先を元の向きに戻さない、あるいは戻せないことがある点です。飼い主さんが手で直してあげても、歩き出すとまた丸まってしまうこともあります。
なぜそうなるのか。ナックリングはそれ自体が病名ではなく、体のどこかで起きていることを知らせる「サイン」だと考えられています。足先の位置や向きの感覚がうまく伝わっていないことが多いと言われていて、その背景には別の原因が隠れていることがあります。原因の例としては、椎間板ヘルニアや変性性脊髄症といった脊髄の病気、脳や足の神経のトラブル、ケガ、加齢による筋力の衰えや背骨の変化などが挙げられています。
どれが当てはまるのかは見た目では分からず、原因は動物病院で調べてもらうところです。
もう一つ。足先の感覚が伝わりにくいぶん、犬自身は痛がらないことがあります。足の甲に傷ができて血が出ていても、平気な顔で歩こうとする子もいます。「痛がっていないから問題ない」とは言い切れないのが、ナックリングの難しいところなんですよね。
飼い主さんが気づきやすいサイン
ナックリングは毎歩出るとは限らず、出たり出なかったりします。たくさん歩いたあとに目立つ場合もあり、見逃しやすいんです。始まりのころは、時々足先がカクッとなる、つまずきやすくなった、足の指が少し丸まっている、といった小さな変化で、気のせいだと見過ごされやすいとも言われています。
気づくきっかけになりやすいのは、次のようなところです。
- 歩くときに、爪や足先を地面に擦る「ズリズリ」という音がする
- 爪の一部だけが不自然にすり減っている、欠けている
- 足の甲に擦り傷や、血がにじんだ跡がある
- つまずいたり、ふらついたりすることが増えた
足を拭くときや爪を切るときに、足の甲と爪の先を見ておくと、左右の減り方の違いなどに気づきやすくなります。
動物病院では、足先を裏返して甲を床につけ、犬がすぐに元に戻すかを確かめる検査が行われることがあります。獣医師が行う神経の検査のひとつで、必要に応じてMRIなどで詳しく調べることもあるそうです。おうちで真似をして判断するものではないので、気になったら診てもらってください。
足先を守るために、暮らしの中でできる工夫
ここで書くのは、ナックリングそのものへの対処ではなく、足先の傷を防いだり転びにくくしたりするための工夫です。
- 滑りやすい床にマットやラグを敷いて、足元を安定させる
- 足の甲や爪を擦って傷つけないよう、靴やカバー、サポーターで保護する
- ソファやベッドから飛び降りなくて済むよう、ステップを置く
- 無理な運動は控え、散歩の量はかかりつけの獣医師と相談して決める
靴やカバーは、嫌がる、脱げる、重くて歩きにくいといったこともあります。短い時間から少しずつ慣らし、選ぶときも獣医師と相談すると安心です。
早めに獣医師に相談したいとき
ナックリングは、たまに見られる程度でも「正常ではないサイン」とされています。歩き方がいつもと違うと感じたら、早めにかかりつけの獣医師にご相談ください。急に立てなくなった、急に悪くなったというときは、すぐに動物病院へ連れて行ってください。
受診のときは、次のことを伝えられるようにしておくと説明しやすくなります。
- いつごろから気になり始めたか
- どの足に出ているか
- どんな場面で出るか(散歩の後半、起き上がるとき、など)
様子を伝える手段のひとつとして、歩く姿を動画に撮っておく飼い主さんもいます。
話を聞いてほしいときは
足先の小さな変化に気づけるのは、毎日そばで見ている飼い主さんです。同じことで悩んでいる方の参考になればうれしいです。
※アイキャッチ画像はイメージです。
※本記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。
気になる症状がある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。
※歩けるくんは治療を目的とした商品ではありません。感じ方には個体差があります。
うちの子の場合はどうだろう、どのサイズが合うのだろう——
そんなふうに迷われたときは、お気軽にご相談ください。
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