朝、リードを見せると玄関まで歩いてくる。ソファにもまだ自分で上がれるし、散歩もいつもの道をひと回りできる。それでも、寝ている姿勢から立ち上がるまでに少し間があったり、帰り道のペースがゆっくりになっていたり。そんな小さなことが、ふと目に留まる日がありますよね。
「まだ大丈夫」と思う気持ちと、「今のうちに何かしておいたほうがいいのかな」という気持ち。どちらも、愛犬をよく見ているからこそだと思います。
先にお伝えしておくと、ここで紹介するのは「これをしておけば歩けなくならない」というものではありません。今の毎日の中に、無理なく足していける工夫として読んでいただけたらと思います。
動かない時間が増えると、体はどうなるのか
シニア犬の足腰の衰えは、日常の小さな変化として現れることが多いです。立ち上がりに時間がかかる、歩くのがゆっくりになる、段差を避ける、散歩の途中で座り込む、床で滑る、後ろ足がふらつく。どれも、毎日一緒にいると「年だからかな」で流してしまいそうになるものです。
そのうえで知っておきたいのが、動かない時間が増えると、筋肉が落ちたり関節がこわばったりしやすいと言われていることです。そのためシニア期も、無理のない範囲で毎日体を動かす機会を持つことがすすめられています。
足先や体重も、歩きやすさに関わります。歩く量が減ると、爪が地面ですり減りにくくなります。伸びた爪は床をつかみにくく、滑る原因になります。肉球の間の毛が伸びたときも、室内で滑りやすくなります。また、太りすぎは関節や足腰の負担になると言われています。
それから、こうした変化は年齢のせいだけとは限りません。関節の痛みや神経の不調など、別の理由が隠れていることもあります。
私が「まだ歩けるうち」という言葉で考えたいのは、急いで何かを買い足すことではなく、今の暮らしを少しずつ整えておくことです。スロープやペット用ステップのように、慣れるまで少しずつ練習しながら使うものもあります。慌てずに試せるのは、今の時期のよいところだと思っています。
今できていることを、一度見ておく
変化に気づく手がかりとして、今のうちの子の様子を一度見ておきませんか。今日、次のことを確かめてみてください。
- 寝ている姿勢から、すっと立ち上がれているか
- 散歩の距離が前より短くなっていないか。途中で座り込むことはないか
- 段差や階段を避けるようになっていないか
- フローリングで滑ったり、後ろ足がもつれたりしていないか
- 歩いているとき、首の位置が下がっていないか。尾は上がっているか
- きれいな伏せの姿勢がとれているか
- 爪や肉球の間の毛が伸びていないか
- 体重を最後に量ったのはいつか
全部できていれば、それが今のうちの子の「いつも」です。気になるところがあれば、それが続くかどうか、しばらく気にかけてみてください。続いたり、前より悪くなったりするようなら、後で書くように獣医師に相談しましょう。
今日から暮らしに足していきたいこと
散歩は、短めをこまめに
シニア犬の散歩は、長い距離を一度に歩くより、短めの散歩をこまめに、犬のペースに合わせて行うほうがよいとされることが多いです。歩き慣れた平らな道を選び、犬が立ち止まったら休ませてあげる。激しい遊びは控えめにします。遠くまで歩けない日は、好きな場所まで車で行って少しだけ歩く、という方法もあります。
今の運動量がその子に合っているかは、運動を増やしたり変えたりする前に、かかりつけの獣医師に確認しておくと安心です。
家の通り道を整えておく
寝床から水飲み場、トイレまでの通り道に、滑り止めマットやカーペットを敷いておきます。裏に滑り止めのあるラグを選び、ときどき、よれたりめくれたりしていないか見てあげてください。
ソファへの飛び乗り・飛び降りや、階段の昇り降りは、少しずつ減らしていきたいところです。必要に応じて、表面が滑らないスロープやペット用ステップを置く方法もあります。慣れるまでは、おやつを使って少しずつ練習します。寝床は、立ち上がりやすい低めのもの、沈み込みすぎないものがよいと言われています。
足先の手入れを習慣にする
爪は定期的にチェックして、伸びていたら切ります。伸びすぎているときは、一度に短くせず少しずつ。自分で切るのが不安なら、動物病院やトリミングサロンに任せてもかまいません。肉球の間の毛も、伸びてきたら短く整えます。散歩のあとや足を洗ったあとは、よく乾かしてあげてください。
体重を気にかける
その子にとっての適正体重がどのくらいかは、かかりつけの獣医師に確認しておくと目安になります。
補助ハーネスを知っておく
立ち上がりや歩くのを手助けする補助ハーネスやスリングがあります。歩けなくなる前から、安全のために検討しておくという考え方もあります。種類やサイズ選びは、獣医師に相談してみてください。
獣医師に相談しておきたいこと
次のようなときは、「年のせい」と決めつけずに、かかりつけの獣医師に相談してください。
- 気になる変化が続いている、前より悪くなっているように見える
- 散歩を楽しまなくなった、動きづらそうにしている
運動の量や体重の目安を確かめたいときも、相談してみるとよいと思います。ストレッチやマッサージなどのケアは動物病院でもシニア犬向けに行われていて、獣医師の指導のもとで、無理のない範囲で家庭でも続けられます。
ケアの選択肢のひとつとして
EQT1では、こうした日々の工夫と並べて、歩行をサポートする選択肢のひとつとして歩けるくん(首に着けるネックバンド)をご案内することがあります。うちのラニには首用から始めて、後からアンクルバンド(足首用)を加えました。散歩や環境づくり、獣医師の診察の代わりになるものではありません。
おわりに
まだ歩けている今は、うちの子の様子をゆっくり見ておける時間でもあります。今日できるのは、通り道のマットを直すことや、爪を一度見てみることくらいかもしれません。そこからひとつずつで十分だと私は思っています。
同じことで悩んでいる方の参考になればうれしいです。
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※本記事は一般的な情報をまとめたもので、診断や治療を目的としたものではありません。
気になる症状がある場合は、かかりつけの獣医師にご相談ください。
※歩けるくんは治療を目的とした商品ではありません。感じ方には個体差があります。
うちの子の場合はどうだろう、どのサイズが合うのだろう——
そんなふうに迷われたときは、お気軽にご相談ください。
EQT1(STEP EQT 歩けるくん 正規販売店)
